1945年製作のイタリア映画。
イタリア・ネオレアリズモと呼ばれる潮流を作った映画。
監督はロベルト・ロッセリーニ。
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あらすじ
舞台はナチスの占領下にあるローマ。
極限状態の中、人々の生活は苦しい。
子連れのビーナ(アンナ・マニャーニ)は
迷った末に年下の印刷工・フランチェスコとの結婚を決める。
しかし、その彼は反ナチ運動に身を投じていた。
二人の結婚を祝う司祭・ピエトロ(アルド・ファブリーツィ)も
パルチザン運動に協力。
それだけでなくビーナの息子とその仲間も活動中。
一方、保身のためにナチスのスパイとなる者もいた。
結婚式当日の朝、アパート全体がナチに囲まれ家宅捜索。
捕まったフランチェスコを追って走り出すビーナだが、
ナチスに射殺されてしまう。
やがてピエトロたちもスパイの手引きで捕まり処刑の日が――という話。
感想
第二次世界大戦後に起きたネオレアリズモの流れ。
いわゆる新・写実主義と呼ばれるものだが、
大戦前イタリアを支配していたファシズム文化への抵抗だけでなく
フィクションの方がノンフィクションより訴えることができるということ。
戦争が終わったという事実を超えて、
その中で命を賭して抵抗した人々がいた真実を訴えたこの作品は
世界中の人々の感動を呼んだ。
その理由として実際パルチザン運動に関わった多くの素人たちの参加、
まだ戦禍が収まっていない中での撮影、そして風景などを含め
実際に戦争を体験した人達によるいわば“再現フィルム”のようなものだからだ。
再現フィルムというと「ウィークエンダー」みたいだけど
やっぱりその迫力というか根底に流れているものは
理屈抜きに伝わってくるとしか言いようがない。
もっとも最初から映画は評価されたわけではなく、
当初は国内で公開できるかどうか危ぶまれるぐらい不評だったそうだ。
アメリカやヨーロッパで人気が出たからイタリア本国でも
人気が出たわけだが、まあどこの国でも身近すぎると敬遠しますわな。
ロッセリーニはその後、イングリッド・バーグマンとの
世紀のロマンスになるわけだが、それがよかったのかどうか。
ま、それも歴史のイフってやつではある。