1970年公開の緋牡丹博徒シリーズ第6弾。
監督は加藤泰、主演はもちろん藤純子。
菅原文太、若山富三郎、安部徹に天津敏、名和宏とメンツが揃っている。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
以前関わりのあったニセお竜の娘・お君を訪ね歩くお竜(藤純子)。
ようやく探し出したお君は浅草でスリになっていた。
涙の再会を果たした二人だが、暗雲が立ち込めているのは言うまでもない。
浅草六区の芝居小屋を仕切っているのは鉄砲久(嵐寛寿郎)だったが、
その利権を鮫洲政(安部徹)一家が狙っていた。
お君と恋仲になっているのは鮫洲政組の銀次(長谷川明男)。
これ幸いと鮫洲政は難癖をつけるが、お竜は賽の目勝負を挑み勝利。
そんな時、渡世人の常次郎(菅原文太)が浅草に姿を現す。
鉄砲久は鮫洲政の謀略により瀕死の重傷を負い、
銀次は人質にされたお君を助けて殺されてしまう。
常次郎の助成を得たお竜の怒りが爆発する――という話。
感想
今戸橋の雪のシーンが有名な本作。
仁侠映画の頂点とも言われる様式美、
加藤泰監督の情念の美学が炸裂する。
物語は第3弾「花札勝負」の後日談的な感じ。
なもんで前半の山場は二人の再会である。
このシーンがローアングル&長回し炸裂(笑)
一人ミカン食ってた三原葉子さんが
きみの目を抑えるのを助けて感動の名シーン。
でもやっぱりミカンを食い始める。なんでやねん(笑)
とはいえああいう人間の描き方は参考になりますな。
まあミカンといえば今戸橋でも転がる。
あざといっちゃあそうかもしれんが、でも絵になるんだなこれが。
若山富三郎さん演じる虎吉親分も欠かせない存在。
別にいなくてもいいんだけど、どっかで出てこんとなんか淋しいのよね。
悪役ツートップ安部徹&天津敏はやっぱりいいですな。
悪役の人って善玉やらせても上手いんだよねえ。
仁侠映画を代表する一本なのだが、
全体的なまとまり感でいえば「花札勝負」の方がいいんじゃないかな。