1977年公開の松竹映画。
金田一耕助を「寅さん」渥美清が演じていることで有名。
また山崎努演じる多治見要蔵の暴れまわる姿、
濃茶の尼の「たたりじゃ~」が流行語になるなど話題を呼んだ。
原作は横溝正史、監督は野村芳太郎、脚本は橋本忍。
撮影は川又昂、音楽は芥川也寸志と『砂の器』の布陣。
主演は萩原健一、小川真由美。山本陽子、市原悦子など豪華キャスト。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
東京の空港で誘導員の仕事をしている寺田辰弥(萩原健一)。
ある日新聞の尋ね人欄で自分の名前が出ているのを知り、
諏訪弁護士(大滝秀治)のいる大阪の法律事務所を訪れる。
そこで質問を受け、あなたは尋ね人本人だということに。
ところが、そこに居合わせた母方の祖父・井川丑松(加藤嘉)が
突然苦しみだして息絶える。
何が何だかわからぬうちに、辰弥は父方の親戚筋の未亡人である
森美也子(小川真由美)の案内で岡山県の山中にある八つ墓村を訪れる。
美也子に聞かされた話では、永禄九年に
毛利勢の追っ手から逃れた尼子の落ち武者8人がこの村を訪れ、
百姓暮らしをして過ごすものの村人たちに裏切られ悲惨な最期を遂げたという。
さらに辰弥の父である多治見要蔵(山崎努)も
過去に狂気の沙汰としか思えない残虐な事件を起こしていた。
周囲の好奇の目にさらされ、辰弥を人殺し呼ばわりする者もいる中、
村に再び連続殺人の惨劇が訪れようとしていた――という話。
感想
久々に観たけどこんな感じだったっけ?
もっと多治見要蔵のシーンとかどインパクトあったんだけどなあ。
悪慣れしているせいかもしれんなあ(笑)
ていうか何となく短く感じるんだよねえ、シーンが。
満開の桜並木を要蔵が疾走する場面は何回観ても鬼気迫る。
あれ、原作では白塗りまでは書いてなかったよねえ。
そういう点では全体的にオカルティックになってんだな。
まあ「エクソシスト」とか流行った後だしねえ。
落ち武者の惨殺シーンなんて原作はそんなに書いてないし。
映画では毒飲ませて引きずり回して、首は飛ぶわ、火だるまにされるわ散々。
そこまでやるか、農民たち。
尼子義孝の夏八木さんの生首が目を見開くとこなんざ強烈ですな。
しまいにゃ小川真由美さんまで白塗りになるし(笑)
まあその方が怨念や呪いが印象付けられるし、いいのでは。
そもそも「八つ墓村」っていつも思うけど主人公は辰弥だし。
「本陣殺人事件」みたいなあっと驚くトリック物でもなければ、
「獄門島」や「悪魔の手毬唄」みたいに凝ってるわけでもない。
だいたいあんだけ人死んでったら犯人わかるだろ(笑)
鍾乳洞のシーンってこんなに長かったのね。
終盤なんかほとんどそうだもんねえ。
まあでも、やっぱり映画ならではの映像がいいなあ。
渥美清は金田一というより新聞記者かルポライターみたいな感じがするけど。
ミステリーよりホラー色を強めたことが成功の要因かもね。
個人的には下條正巳、アトム親子の共演するシーンがいいな。