1970年公開の新星映画社と文学座の共同作品。配給は松竹。
出演は石立鉄男、前田吟、河原崎長一郎、峰岸隆之介(峰岸徹)、
林秀樹、太地喜和子、小川真由美などなかなかのメンバー。
テレビドラマから映画化された「若者たち」の流れを受けた映画だが、
そんな企画意図はそっちのけで深作流青春群像劇となっているところが魅力。
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あらすじ
各地から集団就職で上京し、今は同じ工場で働く5人の若者。
炭坑出身で幼馴染の樋口喜久男(石立鉄男)と鈴木麻男(前田吟)、
佐渡の漁師の息子・矢部清(河原崎長一郎)、
北海道開拓村出身の北野竜次(峰岸隆之介)、
川崎の労働者の息子・井上一郎(林秀樹)。
真面目に働き、何とか生活をしのいでいた5人だったが
工場が突然潰れてしまい失業してしまう。
この際独立して自分たちの運送屋を始めようと考え、
金を貯めてトラックを買おうと誓い合った5人。
だが、清はやくざの盗みを手伝ったのがバレて逮捕され刑務所送りになり、
一郎はホステスの朱美(太地喜和子)とデキてしまい早々と脱落。
ボクサーを夢見ていた竜次は目先の金欲しさに
ストライキのピケ破りに参加して警官に頭を殴られ死亡。
あとに残った喜久男と麻男は絶望して投げ出そうとするが、
竜次の姉・秋子(小川真由美)に励まされ何とか金を貯め一台のトラックを手に入れる。
そんな時、清の妹・ユキ子(寺田路恵)が上京。
喜久男と麻男はユキ子に惹かれるが、脱獄し深手を負った清が現れて――という話。
感想
青春群像劇としてなかなかの出来栄えの映画。
なんちゅうても「みんなで一緒に頑張ろう」なんて甘っちょろさはない。
どっちかと言えば「てんでバラバラ」になってく話だ(笑)
ま、それが現実というもんではある。
だいたい「この人は絶対そんな人じゃありません」なんて
言われる主人公、なかなかおらんぞ。
さらに「仲間をかばったりしません」とダメ押しされる。
ボロクソじゃねーか(笑) かわいそうなわかめラーメン。
そうやって愛も仲間も幼馴染まで失って、一人走り出す。
青春映画というよりヤクザ映画のテイストに近いところが面白い。
こういうのは今やっても新鮮かもね。
とことんバラバラになっていく集団の描き方というのは。
劇場まで行って観たいと思うかどうかはわからんが。