1990年の冬クールの月9ドラマ。
主演は中山美穂と柳葉敏郎。和久井映見、東幹久、相原勇、石黒賢などが出演。
脚本は野島伸司、主題歌は中山美穂「愛してるっていわない!」だった。
月9がトレンディドラマから純愛路線に舵を切った分岐点となるドラマ。
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あらすじ
大黒海苔世田谷営業所に勤める与田圭子(中山美穂)。
おっちょこちょいなところがある圭子はある朝、
通勤電車の中でバッグの中身をぶちまけてしまう。
そこに偶然居合わせたのが零細おもちゃ会社で働く野茂俊平(柳葉敏郎)。
圭子は不倫のトラブルで社内移動してきた友美(和久井映見)から
見知らぬ男の電話番号を渡され、試しに電話して見ると意気投合。
会うことになり待ち合わせ場所に行ってみるといたのは俊平。
後で連絡して来なかった理由をはぐらかし、
名前を聞かれてとっさに答えたのが本棚にあった
林真理子と吉本ばななをミックスした「林ナナ」だった。
向かい同士に住んでいることがわかった圭子と俊平は
友達の潮崎(石黒)と妙子(相原勇)も交えて飲むことに。
そこで妙子は俊平に、潮崎は圭子に恋をする。
本当は俊平が好きなのに妙子を気遣う圭子。
しかし、林ナナとして電話で話す俊平への想いは日に日に募る。
圭子と俊平の恋の行方はどうなっていくのか――という話。
感想
タイトルバックがとても印象的な作品。
ミポリンとギバちゃんがおもちゃの人形になってるやつね。
この次のクールが「東京ラブストーリー」。
社会現象になるぐらいヒットしたのは次の作品だけど、
個人的にはこの作品の方がなんやかんやと印象深い。
時代はまだバブルの頃で女性がどどーんと前に出ていた時期でもあるが、
一方で誰もかれもがバブリーなわけでもなく、またあっけらかんとしているわけでもなかった。
片想いだったり秘めた思いだったり引っ込み思案だったり。
でも対外的には弾けた時代だから無理をしている人も多かった。
そんな時代をうまくすくっているドラマだなあと思う。
以前は一流商社に勤務して婚約もしたけれど惚れたのは自分でなくブランドだということに気づき
婚約も破棄して仕事も零細おもちゃ会社に変えたという俊平のキャラは柳葉敏郎に抜群に似合う。
主人公の苗字が与田、野茂、潮崎、落合などは野球選手なのかな。
与田と野茂ってこの年デビューでともに新人王だし。
このあたりもさすがというかなんというか。目の付け所がね。
圭子のキャラは今の人が見るとどう感じるんだろうね。
妙子を後押しする姿なんてのは研ナオコの「愚図」ですかあんたは状態。
圭子のモノローグとか凄いいいけどね。
風邪ひいた俊平を見舞いにナナとして頼まれた圭子が行くとことか、
人形劇「白雪姫」のとことか、クリスマスローズの花言葉とかとにかくうまい。
圭子としては俊平に言えないけど、ナナだったら本音が言えるみたいな。
ロマンチックさ全開。野島伸司の脚本で一番凄いのはこれじゃないかな。