山本薩夫監督映画「傷だらけの山河」を久々に観る

1964年公開の大映映画。
原作は石川達三の同名作品。脚色は新藤兼人。
主演は山村聰。村瀬幸子、高橋幸治、船越英二、若尾文子などが出演。

あらすじ

電鉄・バスなどいくつもの会社を経営する有馬(山村聰)。
英雄色を好むの例えのごとく、妻・藤子(村瀬幸子)以外に二人の女がいた。

それに飽き足らず貧乏画家(川崎敬三)の夫をパリに留学させる条件で
画家の妻・光子(若尾文子)を愛人にする始末。

ところが、有馬の次男(高橋幸治)が光子に好意を持つ。
そんなことはおかまいなしに有馬は5番目の女を手に入れ、事業拡大に奔走していく――という話。


感想

悪がとことん自分の信念を貫くという珍しい話。
まさに人間ブルドーザー状態。

人間関係や家庭が崩壊しようが何しようが
己の道を突き進むさまは「白い巨塔」の財前以上のものがある。

しかし、なぜだか結構共感しちゃうんだなこれが(笑)
その理由として男の欲望を全面的に満たしちゃってくれたりすること。

とにかく飽きたら次の女に手を出していくんだもの。
相手が人妻だろうが何だろうが知ったこっちゃない。
周りは反発してガタガタ崩れていくんだけど、
本人は強がりなのか何なのかどこ吹く風みたいな。

ま、こういうキャラを描き切るってのはなかなか難しい。
またそれが山村聰さんってとこがね、なんかいいんだなこれが。
これも味方・敵って色分けすりゃ敵側なんだけど、
敵側オンリーでストーリー引っ張れるってとこが素晴らしい。
これもねえ、もっと評価されてもいいと思うんだけれど。

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