日活映画「濡れた荒野を走れ」を観る

1973年公開の日活ロマンポルノ。
監督は日活ニューアクションを支えた一人、澤田幸弘。
脚本は長谷川和彦、主演は地井武男。
山科ゆり、川村真樹、井上博一、高橋明などが出演。

あらすじ

街頭で集められたベトナム人民の救済募金。
その善意の金を奪うとんでもないグループがいた。
しかも、なんとそのメンバーは事件の連絡を受けると警察に早変わり。

何気ない顔をして事件現場に駆け付け証拠隠滅を図る。
そのとんでもないグループのリーダーが原田(地井武男)。

ある日、原田は署長から元上役の中村(井上博一)が
精神病院から脱走したと告げられる。

原田たちは中村が組織から抜け出すために
精神病のふりをしていると信じて疑わなかった。

中村の行方を追跡する原田たち。
もし正気だったら正当防衛で殺せとの命令を受けて。

列車に乗った中村を追跡する原田たち。
中村は女子高生のまり子(山科ゆり)とともに逃避行を続けるが――という話。


感想

突っ込みどころはいろいろあるがなかなか面白い。
貴重なバイオレンス・チイチイ主演作。

出だしのコーラの瓶の懐かしいこと。
また募金箱に入れられる千円札と五百円札も。

網タイツ被ってさらにサングラスもかけているチイチイ(笑)
いるか、それ。

強盗グループが警官ってよくできたねえ。
そりゃなかなかDVD化されなかったのも無理はない。

女優陣は今観てもなかなか悪くないし。
退廃感と虚無感溢れる感じが何とも言えない。

旅回り一座のわけわからん芝居、
ラーメンすすりながら突かれる女、
モップスのたどりついたらいつも雨降り、
アクションと好対照の牧歌的な風景、
ラストの何もない荒野、チイチイの悪い顔――。

話の整合性はともかく、印象的なシーン満載の一本。

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