1994年の秋クールにフジテレビ系列で放送された連続テレビドラマ。
主演は山口智子、松下由樹、柳葉敏郎。脚本は鎌田敏夫。
水野真紀、稲森いずみ、仲村トオル、中村嘉葎雄、吉行和子らが出演。
マライア・キャリーの主題歌と印象的なタイトルバックを話題を呼んだ。
それまでホームドラマ主演が多かった山口智子と松下由樹が、実年齢に近い役柄を熱演。
特に最終回の長回しによる2人のシーンはテレビドラマ史上に残る名シーンとなった。
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あらすじと感想
結婚だけに幸せを求めない女性の生き方が多くの人の支持を集めた本作。
アパレルやってたのにビアレストランへ出向、
それもよりによって29歳の誕生日に言われ
恋人にもフラれてしまった典子(山口智子)。
報道カメラマンというなかなかバリバリの仕事ながら
不倫相手との関係が断ち切れないという優柔不断さもある彩(松下由樹)。
将来を約束された感じのある商社マンだけれど
クレーム処理ばかりでやりがいを持てない賢(柳葉敏郎)。
まあ、この3人の関係性が絶妙。
毎回CMの直前に入る典子の心情を表したクレジットがこれまた素晴らしい。
これ放送当時はあんまりちゃんと見てなかったんだよなあ、学生だったし。
どっちかというとシナリオ集が出てからめっちゃハマったドラマ。
どうしてこの人はこんな話書けるのよって感じで。
30歳を目前にしたキャリアウーマンが仕事や恋愛や友情の中で
時には喜び、時には傷つきながらも前向きに人生を歩いていく姿を描いている。
この頃はまだ30歳というのがひとつの分岐点だったわけだが、
現代だったら40歳かもしれんねえ。
主要メンバーの豪華かつ的確な配置もさることながら、
クライズラー&カンパニーの竹下欣伸やIMAバンドの近藤等則といったミュージシャンも存在感を発揮。
このあたりは数々の印象的なドラマを生んだ中山和記プロデューサーならではか。
ひょんなことから3人が同居するのは古い日本家屋の一軒家。
こたつ囲んでウダウダしゃべり、飲んだり食べたり。
ああいう関係性に憧れましたな。
男と女の間に友情は成立するかってのは永遠のテーマ。
雰囲気でいかずに言葉と言葉でぶつかり合い、関係性を深めていく3人。
シナリオ集のあとがきには最終回のあのシーンのためにこのドラマはあったという。
親子ほど年齢の離れたしかも女性の心をどうして描けるのかという問いには
そうしたリサーチも含めてあえてたまには銀座で飲んだりすることも大切、
と書いてあったような(あとでシナリオ集探して確認しよ)。
長回しのシーンも好きだが、
職場の若い人を前にして「自分の人生を好き」って言う
山口智子さんが本当にいいんだよなあ。
こういうドラマを書けるもの書きでないとあかんなあと刺激をくれる作品。