1971年公開のイタリア映画。
主人公の人物像が政治事件に深い関与があったとされる
ある警部によく似ていたため上映阻止の圧力が警察からかけられたという。
そうした妨害をはねのけて製作され公開された本作は、
後に続く「黒い警察」など権力の腐敗を暴露する政治映画のハシリであり、
見事アカデミー賞外国語映画賞を始め数々の栄誉に輝いた。
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あらすじ
愛人を殺害したローマ市警の警部(ジャン・マリア・ヴォロンテ)。
彼は「アパートで女が殺されている」と警察に自ら通報。
さらには自分の足跡まで残し出勤するという無茶苦茶さ。
その日は警部の公安部長への昇進パーティーが催される日だった。
証拠はどれを取ってみても警部の犯行を示しているが
驚くことに警部を疑うものは誰一人いない。
それどころか当の犯人である昇進したばかりの公安部長が
捜査の指揮を執り始めるというあきれ返った事態に。
当然捜査が進展するはずもなく暗礁に乗り上げる。
部長は証拠品を捜査課に送り付けるなどやりたい放題。
しかし、そんな彼にも綻びが露見する日が来るのだが――という話。
感想
一種独特の作りが目を惹く作品。
こういうつくり方もありかねえというインパクトは相変わらず。
主役の警部のエキセントリックさは一見の価値ありですな。
個人というより組織の隠ぺい体質の凄まじさを見せつけてくれる。
なんちゅうか彫りの深い面々にそんなこと言われたら
そうかなあなんて思ってしまう感じといえばいいのかねえ(笑)
しかしまあ、国は違えどこんなもんなんかもねえ官僚だのなんだのというのは。
人間、組織の枠組みから外れて生きるのは勇気がいりますからな。
たいていの人間は看板がないとやっていけんわねえ。
こういうのは学校に置き換えたりいろんな使い道がある気はしますな。