1953年公開の独立プロ映画。
同年度のキネマ旬報ベストテン第1位を獲得。
原作は樋口一葉「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」。
この3つをオムニバス形式で構成しているのが特徴。
監督は今井正、女優陣は丹阿弥谷津子、久我美子、淡島千景。
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あらすじ
第1話。
わがまま娘に育ち嫁いだせき(丹阿弥谷津子)。
中秋名月の日に一人息子をほったらかして実家に帰ってくる。
同情する母親とええとこ嫁いだのに帰ってこられてはたまらない父。
なんとかなだめすかして、せきを帰らせることに成功。
帰り道、せきが乗った人力車の車夫は、幼馴染の録之助だった――という話。
第2話。
山村家の下女・みね(久我美子)は毎日こき使われる日々。
そんな中でもけなげに働いていたのだが、
ある日伯父に大みそかまでに前借を頼まれ、
山村家の女房のあやに承知してもらうのだが――という話。
第3話。
小料理屋の酌婦・お力(淡島千景)。
なんとかこの境遇から逃れられないかと苦しんでいた。
なじみの客である朝之助(山村聡)に惹かれるも
過去に縁のあったもと蒲団屋の源七(宮口精二)を忘れられない。
源七に愛想をつかした妻子はある行動に出る――という話。
感想
ま、なんというかどれもこれも明るい話では全くない(笑)
明治の市井に生きた女性たちの愛と哀しみといえばそうなのだが。
この時代の貧困と現代の貧困は質が違いますわな。
今の時代、貧困といっても携帯持ってDVD持ってたりするし。
生活保護受けてる方が真面目に働いてるより
裕福だったりするケースだってあるくらいだ。
そりゃ国民総生産も落ちるだろ、
そんな逆立ちしたことがまかり通ってたら。
杉村春子筆頭に文学座の皆さんがわんさか出てる。
久我美子をいたぶるくそババア役の長岡輝子とか。
クレジットはないけど小池朝雄や加藤武とか。
なかなかねえ、最近劇団総出演みたいな映画はできませんわな。
ていうより成立せんのか、それでは。
原点に返ってそういうのもありなのでは。
ま、とりあえず出資してくれって言われてパーかもしれんが。