1962年公開の独立プロ映画。
もともとはテレビドラマで書かれた安部公房脚本を映画化。
監督はこれがデビュー作の勅使河原宏。主演は井川比佐志。
田中邦衛、佐々木すみ江、観世栄夫、佐藤慶などが出演。
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あらすじ
舞台は北九州の炭鉱地帯。
小さなヤマを渡り歩き食えなくなった坑夫(井川比佐志)。
息子と仲間とともになんとかその日暮らしでしのいでいた。
ある日、いつものように日当を受け取ろうとすると
下宿の親父が働き口の紹介だと言って地図を渡す。
息子を連れて喜んで現地に向かった彼だが、
着いてみるとそこは人気が消えたボタ山の集落。
あるのはボロボロの駄菓子屋が一軒だけだ。
おかしいと思いながら歩いていると、
後ろからつけてきた全身白の異様な男が突然坑夫を刺し殺す。
殺し屋は駄菓子屋の女主人(佐々木すみ江)に金を渡し偽証させる。
その偽証内容は近くにある大炭鉱の
第1組合と第2組合の争いをさらに加速させるものだった。
幽霊となった坑夫は事件がまるで違うものと声なき声をあげるが――という話。
感想
ある意味サスペンス、ある意味ホラー、ある意味風刺劇。
全体的には舞台劇ですかって感じの話でもある。
ロケも多く、昭和36年ごろの風景がそこにはある。
すべてを見ていたのは坑夫の子どもだけ。だが、真相は暴かれることはない。
ま、謀略ってそういうもんだ。
ばれたら謀略ではないわいな。
全部グルになって泣くのは知らない者ばかり。
いつの時代も一緒ですな。