1957年公開の松竹映画。
小津作品の中で異色のダーティー?というか暗めの話。
出演は毎度おなじみ笠智衆を筆頭に、
原節子、有馬稲子、山田五十鈴など。
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あらすじ
毎度おなじみ笠智衆演じる杉山周吉は、
銀行に勤めながら男手一つで子供たちを育ててきた。
しかし、長女(原節子)は夫とケンカし娘連れて戻ってくるし、
次女(有馬稲子)はチンピラの子供を身ごもるしロクなことはない。
次女はチンピラを探し回るが、
その時偶然自分のことを尋ねていた女がいたことを知る。
それは雀荘の女主人(山田五十鈴)。
次女は長女に女主人は母親かと尋ねるが、長女は否定。
周吉と女主人の間には重く冷たい過去があったーーという展開。
感想
久しぶりに観てもかなり暗い。
最初観たのはいつだっけ、10代後半ぐらいかなあ。
たぶん「東京物語」とか先に観ているから
それと比べると「なんじゃこりゃ」と思ったわけ。
でも、今観てみるとそんなに悪い感じもしない。
むしろ「家族ってこんなもんだよな」と思ったりもする。
木下恵介「日本の悲劇」がこの3年ぐらい前なのかな。
最終的に次女は母親の過去を知り、
自分もおんなじ血が流れていると感じて
事故で死んじゃうわけなのだが、まあ時代ですな。
最後、長女はやっぱり夫のもとに帰り、
哀れ周吉は再び一人ぼっちになるのだが。
この一人ぼっちになるにしても
「晩春」とか「東京物語」とはずいぶん違うわけで。
そのあたりが評価低いところなんだろうけど。
これはこれでねえ、再評価されるべきじゃないかな。