伝説のテレビドラマ「傷だらけの天使」を久々に観る

1974年10月~1975年3月まで
日テレ系で放送。全26回。
先日亡くなった萩原健一が主演。
その生き方やファッションが若者から絶大な支持を得た。

あらすじと感想

アクションとセックスが満載という、
当時も今もテレビではなかなかできないテーマに挑戦。

きわどいシーンが続出で視聴率が思うように
上がらなかったため、途中から人情ものに軌道修正。

しかし、やるせなさを常に感じさせるストーリー展開は
終始魅力的だった。

萩原健一演じるのは主人公の小暮修。
幼い頃に両親と死別し、貧しさの中で周囲と戦い生きてきた。
勇敢だけど見栄っ張り、そして臆病という奇妙なキャラ。

しかし、自分なりの正義感は人一倍強い。
貴子(岸田今日子)が経営する探偵事務所で
その腹心・辰巳(岸田森)にこき使われているが、
弟分の乾亨(水谷豊)と共に底辺で懸命に生きている。

ピカレスクロマンであり、青春ドラマでもある本作。
人の嫌がる仕事を常に押し付けられながらも、
離れて暮らす子供のために金は稼がんとあかんし、
自分に正直でありたい修が思わぬ方向に
振り回されていく姿は、風刺的でもある。

監督は恩地日出夫、深作欣二、工藤栄一、神代辰巳と
名だたる監督が交代で演出にあたっていた。

印象深い回は数々あれど、
まず第1話「宝石泥棒に子守唄を」。
子役時代の坂上忍が出ていることで有名だが、
監督は深作欣二、撮影は木村大作というコンビがまたいい。

男好きな団地マダムを演じる真屋順子の意外性。
ラスト、バイクで去る修の姿と流れる音楽が素晴らしい。

第3話「ヌードダンサーに愛の炎を」は
中山麻理がストリッパー役でそのヒモが室田日出男。
「御開帳!」と叫びたくなること間違いなし。

第4話「港町に男涙のブルースを」は神代ワールド全開。
セックス、同性愛、少女の自殺。映画「青春の蹉跌」もこの頃か。

後半で好きなのは第19話「街の灯に桜貝の夢を」。
ゲストは関根恵子。これまたラストが切ない。

こうやってみると異色作を連発していた
市川森一さんの脚本が凄い。最終回もそうだし。

最初に観たのは高校生の時だったけど、
世の中の厳しさというかやるせなさを感じさせてくれた作品。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る