名作ホームドラマ・山田太一脚本「岸辺のアルバム」を観る

1977年6月~9月放送。全15回。
ホームドラマの流れを変えたと言われる名作。
第15回ギャラクシー賞などの栄誉に輝いた。

あらすじと感想

商社マンの田島謙作(杉浦直樹)、妻・則子(八千草薫)、
大学生の娘・律子(中田喜子)、高校生の繁(国広富之)。

どこにでもありそうな中流家庭の崩壊と希望を描いたもの。

もともとは東京新聞に山田太一が連載していた小説。
ドラマ化にあたっては家庭をリアルに描きたいとする作者と
地味すぎるとするスタッフと葛藤があったようだが、
演出をメインで担当した鴨下信一の脚本通りのタッチが光る。

東京郊外の川べりに住む中流一家。
妻はハンサムな男(竹脇無我)とお互いの家庭を壊さないと
いう約束で浮気し、夫の会社は倒産寸前。

東南アジアから女を輸入するみたいな話になってるけど
原作ではベトナム戦争で死んだ兵士の身体を洗うじゃなかったかな。

高校生の時に原作読んだきりだからうろ覚えだけど。

娘は外国へのあこがれから留学生に犯され妊娠・中絶。
弟の担任だった中年教師(津川雅彦)と結婚したいと言い出す。

受験生の息子は家庭の秘密をすべて知って
悩んだあげく受験に失敗して浪人するわ、家出するわ。

クライマックスの水害のシーンは記録映像を交えながら臨場感抜群。

ま、現代のドラマに比べりゃスローといえばスローだ。
なんせ八千草薫が浮気するまで長い長い(笑)
現代だったら1話目からいかんともたんかもね。

主題歌はジャニス・イアン「ウィル・ユー・ダンス」。
これまた合うんだ、ドラマの雰囲気に。

プロデューサーが前年の「グッドバイ・ママ」で
ジャニス・イアン使ったから再びみたいな話だったかな。

一番優しい繁目線ってのは「それぞれの秋」と重なりますな。
こちらもそれまでのホームドラマを変えた作品だったけど。

この頃になると橋田壽賀子「となりの芝生」とか
それまでの概念を覆すホームドラマって出てきてた。

視聴率は平均14.1%だが最終回は20%。

個人的に好きなシーンは
第7話で繁がラブホテルで母親と男を待ち伏せしてる時に
支配人室に連れ込まれておっぽり出され、その後路地で
オーナーの睦五朗さんと会話してるところ。

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