横溝正史映画「悪魔の手毬唄」を久々に観る

1977年公開の東宝映画。
前年の「犬神家の一族」に続く
市川崑監督・石坂浩二金田一耕助作品第2弾。

あらすじ

古い因習が根強く残る四方を山に囲まれた村、鬼首村。

20年前、この村では仁礼家(秤屋)と
由良家(桝屋)の二大勢力が事あるごとに対立。

不況にあえぐ中、神戸から恩田育三という男が来た。
恩田は由良家にある副業を持ち込み、村人は豊かに。
ところが、恩田は詐欺師だった。

亀の湯の源次郎が疑惑を持ち詰め寄るも逆に殺害され
恩田はどこかに逃亡して事件は迷宮入りに。

そして、村では由良家に代わり
ぶどう栽培で成功した仁礼家が権力の座を――。

そんなややこしい村の迷宮入り事件の調査を
金田一耕助(石坂浩二)に依頼したのは磯川警部(若山富三郎)。

当時も事件に関係していた磯川警部は
犯人と被害者は実は逆だったのではという疑念を抱いていた。

早速、金田一と磯川は源次郎の妻・リカ(岸恵子)を訪ねる。
時を同じくして村出身の人気歌手・別所千恵(仁科明子)、
芸名を大空ゆかりという彼女が帰省してきた。

彼女は恩田とその世話をしていた
別所春江(渡辺美佐子)の間にできた子供だった。

彼女が帰ってきてから次々と若い村娘たちが殺されていく。
この地方に伝わる子守唄に見立てられて――。

果たして動機は嫉妬か、復讐か、それとも愛か?
そして殺人現場に姿を現す謎の老婆の正体は?

金田一は事件の真相を探るうちに、
20年前の迷宮入り殺人事件との関連に気付いていく――という話。


感想

横溝正史ブーム真っただ中の映画第2弾。
原作の中ではこれが一番好きかなあ。
面白かったもんねえ。

いわゆるマザーグース殺人もの。
元々はヴァン・ダインの「僧正殺人事件」。
推理小説の古典ですわな。

この中に使われている「誰が殺したコック・ロビン」
なんてのはパタリロが歌ってたりしますわね。
クック・ロビンともいうわけですが、
こんなん山ほどパクられてるというか
参考にされまくっているというか。

まあ「カメラを止めるな!」も
これぐらい古典を下敷きにしてりゃ
あーだこーだ言われんかったんちゃうかね。

どだい世の中完全オリジナルなんてもんはないのだから
パクっててもパクリと気付かせないのも腕だと思うのだが。

閑話休題。

で、「悪魔の手毬唄」であるが犬神家ほどはヒットせんかった。

個人的にはこっちの方が好きなんだけど。
まあスケキヨのインパクトにはかないませんわな。

ぶち殺される三人娘は
順番に高橋洋子、永野裕紀子、永島暎子。

他の出演メンバーは北公次、草笛光子、
加藤武、中村伸郎、辰巳柳太郎、山岡久乃、
林美智子、大滝秀治、三木のり平などなど豪華。

ラストシーンも印象的な名作。
伏線の張り方が丁寧なテレビ版と比べるのも一興。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る