1996年製作のイギリス映画。
感動のあまり、劇場に3回(4回だったかも)観に行った思い出の作品。
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あらすじ
舞台は1992年のイギリス。
石炭需要の低下によって鉱山閉鎖に揺れる
ヨークシャー地方の小さな街、グリムリー。
炭鉱閉鎖反対を訴える垂れ幕やプラカードが立ち並び
緊迫している街の誇りはグリムリー・コリアリー・バンド。
炭鉱で働く男たちで結成され100年の伝統を持っている。
リーダーで指揮者のダニー(ピート・ポスルスウェイト)は
文字通りバンドに心血を注いできた。
音楽こそが街の人々に希望と勇気をもたらしてくれるという
彼は全英選手権優勝を目指しているが、周囲はそれどころではない。
そんな時、地元出身のグロリア(タラ・フィッツジェラルド)が
バンドの練習場に楽器持参で現れる。
彼女の出現でにわかに活気づいたバンドメンバーだが
街の状況はますます悪化していく一方。
果たしてバンドの運命やいかに?--という話。
感想
久々に観てもやはり感動。
人間の尊厳と街の誇りを賭けて
それぞれが困難に立ち向かう姿は涙なしには観られない。
おとぎ話ということなかれ、これは実際の話がモデルである。
「ウィリアム・テル序曲」をはじめ
誰もが知る数々の名曲が映画の中で流れるが、
すべて実在のバンドが手掛けている。
炭鉱を舞台にしているが
地域のコミュニティが崩壊していく様は
今や世界のどこにでも共通する問題だろう。
いろんな名場面があるが
一番好きなのはグロリアが最初に来るシーン。
「アランフェス協奏曲」が流れる中、
組合と会社側の団交の模様が挿入される。
適当にやってたバンドメンバーが
グロリアのフリューゲル・ホーンを聴いて
背筋を正し演奏し始める。
この辺りは映画ならではの描き方だと思う。
もちろん最後のクライマックスのところ、
途中のダニーが入院している病室に向かって
演奏するところも好きなのだが。
ユアン・マクレガー演じるアンディと
グロリアの関係性もうまく描けているし。
最後の部分もハリウッドとはまた違った良さがあるし。
いつまでも語り継いでいきたい名作だと思う。