伝説のテレビドラマ・倉本聰脚本「おりょう」を観る

1971年9月26日、東芝日曜劇場で放送。
脚本は倉本聰、出演は八千草薫、内藤武敏、大出俊、露口茂。
自分にとっては因縁の作品。

あらすじ

時は幕末。
京都の路地で幸せに暮らすおりょう(八千草薫)と巳之吉(内藤武敏)。
ところが、巳之吉の留守中におりょうのもとに新選組に追われた
勤王派の浪士・平馬(大出俊)が転がり込む。
刀を突き付けられながら平穏を装い、障子張りを続けるおりょう。
江戸から平馬を追ってきた岡っ引・銀次(露口茂)は、
おりょうの家に目を光らせる。

新選組の隊士が土足で踏み込む中、おりょうはとっさに平馬を隠す。
少しずつ心通わす二人だったが、別れの時は着々と近づいていた――。


感想

シナリオは読んだことがあったが映像で観るのは初めて。
便利な世の中になったものだ。
女に裏切られ追われる平馬と、人を疑うことを知らないおりょうの対比。
そして夫の隠された一面に気付き、軽蔑しやり場のない怒りを
表現するラストの八千草薫の演技は素晴らしい。

この作品には個人的に因縁がある。
今から11年前、某コンクールで最終選考に残った時のこと。
当時は中間発表もなく、そもそも最終選考に残っていたことを
知ったのは専門雑誌に結果と選評が載ってからだった。
(今日では考えられないことだが、わずか10年少し前はそんなもんだった)

そこで驚いたのなんの。
審査員の一人が「面白かったけど、よく似た作品を知ってるから押せない」
と語った作品がこの「おりょう」だったのである。

その時自分が出した作品は府営住宅で暮らす老夫婦のもとに
泥棒が転がり込んで巻き起こる騒動の話だったのだが
いくらなんでも似てるはないだろう。
そんなこと言い出したらたいがいのドラマは何かに似てまっせ。
シナリオは読んでたかもしれんけど、参考にしたわけでもないし。

そして審査員の一言「惜しかったね」

こっちは惜しかったねでは済まんぞ。

ま、別に恨みはないんだけど。

評価してくれたのはありがたかったし嬉しかった。

ただ……もうちょっと書き方考えてくれや。

それよりも、である。

その選評を読んだ(というより読みもせんと誰かがチクった)
当時通っていた某シナリオ学校の講師、オレをパクリ呼ばわり。

は?

よく選評を読めよ、おい。

そもそもパクリと思われてたら選考から外れるちゅうの。
よく似た話を知ってるというだけの話でしょ。
しかもこの講師、その少し前に起きたテレ朝コンクールの
パクリ騒動の時には応募者擁護してたんだけど。

なんじゃそりゃ。

で、頭にきてそんな学校はやめた。

この時に思った。

誰からも文句を付けられないオリジナルを磨いていこうと。

そしてこの出来事から3年後、受賞した。

しかも時代劇で。何かと時代劇には縁がある。

作品とは関係ない話だが、そんなことを走馬灯のように思い出す。

ちなみにこの審査員、某サスペンスドラマで
海外ミステリと同じタイトルで似たような内容を書いたお方。
どうみてもこっから来てるだろという話なのだが、
原作や原案のクレジットもなく、最後にテロップが入っただけ。

おかしいでしょ。

守ってもらえりゃ何でもありかよ。

 

「正しいことをしたけりゃ、偉くなれ」
踊る大捜査線の言葉が頭の中でリフレインしまくるのだった。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る