1975年の東映映画。
救いどころのない凄惨な内容が話題に。
主演は病気から復帰1作目の渡哲也、監督は深作欣二。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
舞台は昭和21年の新宿。
新宿河田組の石川力夫(渡哲也)は仲間とともに
三国人の賭場を襲い金を巻き上げる。
逃げる途中に石川は留守番中の地恵子(多岐川裕美)を犯す。
石川は縄張りを荒す池袋親和会とトラブルになるも、
野津組組長(安藤昇)の仲介で事なきを得る。
ところが石川は腹いせに野津の自家用車に火を放つ。
組長の河田(ハナ肇)は石川を制裁するが逆に刺される。
狂犬状態の石川は刑務所に送られ、出所後所払いに。
その一年後、シャブ中状態となって石川は兄弟分の
今井(梅宮辰夫)率いる今井組の賭場に現れる。
心配する今井を逆恨みした石川は、今井に斬りつけ
さらに一週間後射殺する。
救いようのない石川にさらに悲劇が。
仮出獄する3日前に地恵子が自殺したのだ。
地恵子の骨をかじりながら河田に金をせびる石川。
その金で自分の墓を作り、そこに今井と地恵子、
さらに「仁義」の名を刻む。
そして昭和29年――。
石川は府中刑務所から飛び降りた。
感想
めちゃくちゃで救いようのない人物を
一切説明抜きで活写したど迫力の作品。
ドラマとしてはどうかと思う点は多々あるものの
画面から伝わるエネルギーというか異色感は独特。
果てしなく親分、兄弟分、女に甘え相手が困り果てたら人間関係を清算にかかる。
意外とこういう人は現代でもいるような(正直、自分にもそんな部分はある)。
どういう形でそれが色濃く出るかは別にして。
死んだ地恵子の骨をかじるシーンが印象的だが、
もちろん実際にあったわけではない。
ただ、とある俳優さんのエピソードを使ったらしい。
カラーになったりモノクロになったりするのは、
要はロケ現場で向こうに派手なのが見えてどうしようもないから落としたとのこと。
それが幸いしていい感じになるんだから不思議なものである。
参考にしたいのはいろいろ調べてもわからない題材の場合、
理屈をつけたらおしまいという話もあるということ。
確かにこういう話はイメージでいくしかないわいな。
地恵子の命日に石川が飛び降り自殺をするのはフィクション。
「大笑い三十年の馬鹿騒ぎ」という言葉を残したのはホント。
フィクションと事実の混ぜ方、困った時の押し切り方も勉強になる作品。