松本清張プレミアム・ミステリー「考える葉」を読む

1960年4月から約1年にわたり「週刊読売」に連載された作品。1962年に鶴田浩二主演で映画化されている。あらすじ田舎暮らしに嫌気がさしている硯つくりの青年・崎津。彼は東京で愚連隊とケンカし留置場にぶち込まれる。そこで知り合った男・井上に仕事を紹介される。しかしそれは、彼にとって最悪の話だった。不可解な事件に巻き込まれ、ついには身に覚えのない外国視察団長殺害の犯人にされてしまう。罠に落ちたことを悟
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時代小説の名作・松本清張「紅刷り江戸噂」を読む

1968年に刊行された時代小説短編集。「七草粥」「虎」「突風」「見世物師」「術」「役者絵」の計6本を収録。あらすじと感想「七草粥」は正月のお話。織物問屋の大津屋で七草粥を食べて集団食中毒事件が起きる。大津屋の主人、番頭夫婦が死に残されたのは若い妻。食中毒事件の裏には策略があった――という話。2015年にBSジャパンで映像化。出演は星野真里、布施博、田中幸太朗、川野太郎、西尾まりなど。「虎」は事件を
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アリバイ崩しの傑作・松本清張「時間の習俗」を久々に読む

1962年出版の作品。「点と線」の三原警部補と鳥飼刑事が再び登場。1963、1982、2014年と3回テレビドラマ化。あらすじ交通業界関連誌の編集者が弁天島で何者かに殺害された。彼が宿泊していた宿の女中は、女連れだったと証言。しかし、その女性の足取りはつかめず行方不明となっていた。有力な容疑者が見つからないまま時間だけが過ぎた。三原警部補は大手タクシー会社の専務・峰岡に目をつける。だが、峰岡には殺
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屈指の名作・松本清張「球形の荒野」を読む

1960年1月号から2年にわたり「オール読物」に連載された推理小説。1975年に映画化、テレビドラマ化は実に8回を数える名作。あらすじ旅で訪れた奈良の唐招提寺の芳名帳に外交官だった叔父・野上顕一郎の独特な筆跡に似た文字を見つけた芦村節子。大戦末期に某中立国で亡くなった叔父の筆跡がなぜ?節子はそのことを身内に話すも、誰も取り合ってはくれない。ただ野上の娘・久美子の恋人で新聞記者の添田を除いては――。
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砂糖業界の暗部に迫った作品・松本清張「溺れ谷」を読む

1964年から1年あまり小説新潮に連載された。タイトルの「溺れ谷」とは、かつて谷であった場所が海面上昇などの現象により入り江になった場所を指す言葉。要するに水面の下にはかつて陸であった複雑な地形が隠されている。なかなか見通すことができないのを利権の構図に例えているわけ。あらすじ三流経済紙の記者・大屋。彼の仕事は企業の提灯記事を書き広告料を取る仕事。いわゆる「トリ屋」である。彼は砂糖業界の風雲児・亜
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松本清張「死の発送」を読む

1961年に連載された後一時中断し1982年に刊行された珍しい作品。2014年にフジテレビ開局55周年作品として向井理主演で映像化されている。あらすじ5億円の税金を横領した罪で服役していた元官僚の岡瀬が出所した。5億円の行方のうち1億円は行方不明。夕刊紙の記者・底井は編集長の山崎に岡瀬の尾行を命じられ、その意図に疑問を持ちながらも岡瀬の後を追う。しかし、2カ月近くたった後、岡瀬は東北の山中で死体と
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松本清張ミステリ「黒い樹海」を読む

1960年に刊行された長編ミステリ。あらすじある日突然、姉・信子を事故で失った妹・祥子。なぜ東北へ旅立ったはずの姉は浜松で死んだのか――。祥子は姉の死の真相を探るため、姉が働いていたR新聞文化部に就職し、信子と接触のあった人を調べていく。しかし、誰かが先回りして手掛かりとなる人が一人また一人と消えていく――。果たして姉を見捨てた人は誰なのか?――という話。感想昨年、北川景子主演で5度目のテレビドラ
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