映画原作・西村京太郎34「発信人は死者」を読む

1977年初出の作品。
三浦友和と藤竜也が主演した映画「黄金のパートナー」の原作。

あらすじ

カメラマンである野口の無線機に
謎の救難信号が5日間連続で送られてきた。

調べてみるとそれは旧日本海軍の暗号で
トラック諸島で終戦時に沈没したはずの潜水艦からだった。

果たして誰がそんなことを?

友人の江上と由紀子と3人で事件を追ううちに
野口達はとんでもないことに巻き込まれていく――という話。


感想

海洋ミステリーの一作というべきか。

十津川警部も出てくることは出てくるがメインではない。

要はアランドロンの「冒険者たち」じゃねーかといえばそれまでだが
確かに当時の週刊誌を見てみるとトラック諸島に沈没したはずの
金塊はどこへみたいな記事があったりするので
そのあたりが話に真実味を持たせてくれる。

ミステリーなんだけど青春ものというか。

通り一辺倒の主人公たちじゃないし。

ピカレスク青春ロマンみたいな感じもある。

主人公達を妨害する側の人間を
取り調べる際に十津川が述べる感想が秀逸。

「組織への盲目的な服従を、最高の道徳だと思いこんでいる」

全くその通り。政党でも同じこと。ロクなのがいない。

何気ないこの箇所が一番好き。

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