西村京太郎154「特急『富士』に乗っていた女」を読む

1989年初出の十津川警部シリーズ。
部下の北条刑事が容疑者にされる展開。映像化はまだなし。


あらすじ

捜査一課に不審な電話がかかってきた。
十津川の部下の北条刑事の身元調査のようだ。

大分へ向かう寝台特急「富士」の車内で
北条の婚約者と称する男が殺され、乗り合わせていた北条刑事に容疑がかかる。

何者かの罠に間違いないが、刑事の犯行に批判の声は高まるばかり。

十津川警部達は北条刑事の無実を信じ捜査するが、
手掛かりになる人物が相次いで消されていく。

北条刑事逮捕の期限が迫る中、危険な賭けに出る十津川。
果たして北条刑事の無実を晴らすことはできるのか――という話。


感想

東京オリンピックの年に運行が開始された寝台特急「富士」。

一時期は東京から鹿児島までという日本最長運転の定期旅客列車だったが、
宮崎、大分と縮小され2009年春のダイヤ改正でとうとう廃止された。

本作品は十津川の部下であり紅一点の
北条早苗刑事が殺人容疑で逮捕されてしまうお話。

要はニセモノを仕立てていたわけだが
このニセモノの正体は最後までさっぱりわからず消化不良。

手掛かりとなる人物達が次々と消されていく展開はやっぱり面白い。
ミステリの醍醐味ともいえる。

最後の方は少々忙しいが、これが裁判になったら
犯人は本当に有罪になるのだろうか?という疑問はある。

この頃になると時刻表トリックなどではなく
列車で起きた殺人事件を捜査する十津川達の姿という感じ。

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