志水辰夫デビュー作「飢えて狼」を久々に読む

1981年8月、講談社より刊行された著者のデビュー作。

あらすじ

主人公の渋谷は三浦半島で小さなボート屋を経営。
かつては日本有数の登山家として知られた男だ。
しかし、海上で不審な船に体当たりをかまされ殺されかかる。
それだけでなく従業員を殺され店は丸焼きに。

謎めいた男達の南米パタゴニアへの
学術探検参加を断った直後の出来事だった。

真相を追究する渋谷は依頼人の一人樋口から
事件の背後には国際的な陰謀があることを突き止める。

しかし、その樋口も殺害される。

樋口の上司青柳はCIAとKGBの暗闘の存在を告げ
改めて渋谷にソ連から亡命者を連れ出す手助けを依頼する――という展開。


感想

一言でいえば、荒い。
でも、書きたいことを書いてやろうという熱情は伝わってくる。

デビュー作ってそういうもんかもしれない。

ここから「裂けて海峡」に行き、
傑作「背いて故郷」はさしづめ「飢えて狼」×「裂けて海峡」という感じ。

今となっては冷戦時代のニュアンスが時代を感じさせる。

この時代の好きな冒険小説でいえば
マイケル・バー=ゾウハーの「パンドラ抹殺文書」とかある。

あとケン・フォレットの「針の眼」か。
トレヴェニアンの「シブミ」も読んだわな。

この時代、船戸与一さんも逢坂剛さんもデビューしてる時期。

冒険小説の時代だったのかな。

国家と個人の在り方が問われている時代だからこそもっと読まれてほしい一冊。

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