ドラマ原作・飛鳥高「細い赤い糸」を久々に読む

1961年に発表され、翌年第15回日本探偵作家クラブ賞を受賞した名作。
1962年に2回、1989年、2004年にテレビドラマ化された。

あらすじ

汚職摘発の火の粉が自分に降りかかるのを防ごうと、
アリバイ工作までして水道公団の係長を殺害しようとした男が殺された。

また、映画館にツレと一緒に強盗に入り、
分け前のことで揉めた男が殺された。

そして、恋人が上司の娘と結婚話が進んでいることを知り、
探偵に頼んだあげく自分で結婚話を潰そうとしたOLが殺された。

さらに、共同経営している病院の次期院長を狙う副院長が、
外部から来た外科医長が周囲の人望が厚いことを焦っている時に殺された。

被害者4人はいずれも撲殺。
一見、何の関連もないように見える一連の事件は連続殺人なのか?――という話。

感想

古典的名作といえる存在の作品。
バラバラに見える事件が結末で一本に繋がる構成というのは
今日では珍しくはないが、なんやかんや言うてもやっぱりこれは上手い。

著者は工学博士でもあり、一級建築士でもあり
推理小説だけでなく社会的にも成功したお方。
出来る人はなんでもできるんだねえ。

特にラストの方の部分は今日においても輝くものがある。
人の世で起こることで自分の身に降りかからないものはない、
と常々思ってはいるが、こういう作品を読むとあらためてそのことを感じる。

1962年版は観るのは難しいだろうが、
1989年と2004年は2時間サスペンスだから観る機会があるかも。
原作がどういう風に使われているか、比べてみたい。

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