原尞のデビュー作「そして夜は甦る」を久々に読む

1988年4月、早川書房から出版。
原尞の記念すべきデビュー作。
この時42歳。

あらすじと感想

レイモンド・チャンドラーの影響が色濃い
和製ハードボイルドである。

ある日、「渡辺探偵事務所」で働く沢崎の元に謎の依頼者が現れる。

海部と名乗るその男は佐伯というルポライターがここに来たかどうかを尋ねる。

そのことがきっかけで、沢崎は行方不明の佐伯の調査に乗り出していく。

事件は過去の東京都知事狙撃事件と深く関わっていた――というお話。

ハードボイルドで大切なのはなんといってもセリフである。

そしてイキのいい綿密なプロット。

一人称で書かれることがほとんどなので、
作者のものの味方・考え方が色濃く反映される。

なので人生経験を積まないと書けないジャンルである。

チャンドラーのものまねとの批判もあるが
続く直木賞を受賞した「私が殺した少女」
その後2作もとても味わい深い。

なんといっても男の気骨さがある。

寡作というか遅筆で有名な著者だが
自分も沢崎シリーズの新作品を随分首を長くして待っている。

7、8年経ってるような・・・まだかいな。

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