1987年出版の吉敷刑事シリーズ第7弾。
2006年にTBSでテレビドラマ化。
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あらすじ
新宿駅西口でバス放火事件が発生。
逃げ出した乗客・佐々木がタクシーに撥ねられて死亡。
佐々木は息子の大学受験の付き添いで鹿児島から上京していた。
警視庁捜査一課の吉敷刑事は佐々木の行動、
妻と息子の反応に不可解なものを感じる。
そしてバス放火犯と思しき人物を逮捕するが、
男は放火は佐々木に頼まれたものだと謎の供述。
事件の根は鹿児島にあると睨んだ吉敷は、
鹿児島に飛んで留井刑事の協力を得て調べていく――という話。
感想
これはエピローグが感動以外の何物でもない。
久々に読んでもエピローグで泣くのよね、やっぱり。
事件や展開の意外性にも「おお!」と思わせるものもあるけど
なんちゅうてもエピローグが感動的。
拳銃の弾どうやって発射されたかについては
なんぼなんでもそんな偶然ある?と思わんでもないが。
恵美というホステスのキャラが素晴らしい。
その友人からの電話がね、泣けてくるんだね。
事件が終わってからのエピローグなもんで
余計に心にグッとくるものがある。
そのあたり、ドラマでどんな風になっているのか一度確認できれば。
新宿バス放火とくるとリアルタイムであの事件知ってるからね。
あの頃小学1,2年生ぐらいかなあ。ウィークエンダーで見たような。
結構子ども心に衝撃の事件だったな。
なんで死刑にならんのだと思ったもの。
心神耗弱なら無期で正常だったら死刑になるんかい。
人殺す時点で正常じゃないだろ、普通に考えりゃ。
それぐらい言い切ってくれる裁判官がおらんもんかね。
死刑制度がいいか悪いかとはまた別問題だと思うんだけど。
しかしまあ、やっぱり最後にグッとくるミステリはいい。
読んでよかったと思うもの。そういう作品を書かんとアカンわね。