1986年出版の誘拐ミステリ。
1994年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。
タイトルは「消えた身代金」。
主演は宮崎ますみ、渡辺裕之。金沢碧、緒形幹太、織本順吉などが出演。
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あらすじ
売れないプロ歌手の卵である千秋とピアニストの要之助。
二人の夢はレコードを出版することだ。
しかし、千秋の父で警察署長の近石は二人の交際が気に入らない。
邪魔をするわけではないが、千秋が遅く帰ってきたりすると大変。
そんなある日、千秋は富豪・鳥羽家の後添いになった
友人の須磨子に助けを求められる。
義理の息子・国彦と実弟の武中和巳が何者かに誘拐されたというのだ。
駆け付けた千秋と要之助は二人が捕まっているビデオを見る。
身代金は2000万。お金を持って出た須磨子を千秋と要之助は追う。
近石に連絡を取り、身代金受け渡しの場所である湘南の小島を包囲。
万全の警備が敷かれたはずなのに、須磨子が何者かに撃たれ死亡。
そして身代金も銃も忽然と消え失せた。
犯人はどうやって密室状態から狙撃し、身代金を奪ったのか。
千秋と要之助は試行錯誤しながら真犯人を追っていく――という話。
感想
岡嶋二人さんといえば「焦茶色のパステル」で乱歩賞受賞。
ペンネームは「おかしな二人」をもじったものであり、
さらに当時も今も珍しいコンビの推理作家だったことも知られた話。
「焦茶色のパステル」より
前年に乱歩賞候補になった「あした天気にしておくれ」の方が
よくできていると思うんだけどねえ、何べん読んでも。
ま、それもコンクールってもんですわな。
誘拐ミステリの第一人者といっていいぐらい出している方だが、
残念ながらコンビはすでに解散されている。
だいたい誘拐ミステリって一つ書いてりゃいい方なんだけど、
ここまで誘拐ミステリにこだわって書かれた方は少ないのでは。
本作もいきなり誘拐ビデオを見るところから始まるのが新しい。
正直、犯人を当てるのはそれほど難しくないが設定は面白い。
このあたり、ドラマでどんな感じになっているのやら。
宮崎ますみと渡辺裕之コンビは原作のイメージとはちと違うような。
そのあたりも比べてみたいところではある。