1991年出版の自選傑作短編集。
表題作のほか、「判事よ自らを裁け」「奇妙な再会」
「縄の証言」「愛する」「美の犯罪」の計6編を収録。
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あらすじ
この中でドラマ化されてると思われるのが
「判事よ自らを裁け」「奇妙な再会」「縄の証言」。
1960年の作品。
タイトルからだいたい想像が付くかと思うが、
死刑の判決を受けて病死した被告にアリバイがあったことが判明。
裁判官はそのことを知りながら、定年まで無事に勤めたいと願っている。
ふてえ野郎だが、まあだいたい世の中そんなもんだ。
それで無事定年なったらたまったもんじゃないので事件が起こる――という話。
1961年にテレビドラマ化されてるみたい。
今となっては見るすべはなさそうだけど。
そもそもフィルムとか残ってないんじゃないの・
出演は佐分利信、加藤嘉、金子信雄、三宅邦子など。豪華だね。
たぶん佐分利信が判事なんだろうけど、
後の大岡昇平原作映画「事件」を思い出しますな。
あれ確か裁判長やってた。
1958年の作品。
元裁判官で今は出版社の役員になっている男が
テレビの再会番組で昔死刑判決を出した男の遺児で
今はタレントになっている女性と対面するのだが――という話。
テレビの初期からそういう番組あったのね。
ていうか初期だからこそあったのか。
自分ら子どもの頃は「それは秘密です!!」ってのあったけど。
この短編は結構好きかなあ。
で、これが1959年にドラマ化なってるみたい。
出演者もパッと名前聞いてわかるのは田中明夫さんぐらいかなあ。
誰の役だろ、元判事なのかな。
1967年の作品。
例えるなら土屋隆夫版「霧の旗」みたいなもの。
家族の証言がアリバイにならないばかりに誤診で死刑の判決を受け、
獄中で病死した父親に代わり、娘が引退して弁護士になった裁判長に復讐するって話。
この娘のキャラは「霧の旗」の桐子よりいい部分もあるような。
結構行動的だしね。
遺骨を風呂敷に包んで、裁判長宅などを回る様子は鬼気迫る。
これは1984年にドラマ化。ザ・サスペンスかなあ。
主演は三原じゅん子。いいじゃないか、似合ってそう。
山田吾一、范文雀、川津祐介、鈴木ヒロミツ、真理明美などが出演。
いいメンバーじゃないか。観る機会ないかねえ。
このあたりの年代になると、
ある程度ドラマ化されてるとかわかるんだけど
テレビ創成期からドラマになってるのはなかなかわからんもんね。
そういう点でデータベース化してる人は凄いなあと思う。
意外にも「死者は訴えない」はドラマになってないのね。
まあ法曹界の冷たい面に光あててるからねえ、そこでしょうな。