1965年出版の第11回江戸川乱歩賞受賞作。
2001年に「女と愛とミステリー」枠でドラマ化。
意外にも映像化はこの一度だけしかない。
出演は村上弘明、遠野凪子、原田大二郎など。
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あらすじ
武蔵野の雑木林でデート中の新聞記者・田島と恋人・昌子。
楽しい時間のはずが、思いもかけない出来事に巻き込まれる。
突然、胸を刃物で刺された瀕死の男が現れ、
「テン」とつぶやいて息をひきとったのだ。
すぐに捜査が開始されたが、現場には怪しい人間は見つからず。
事件を目撃した田島は、新聞記者としての興味から
独自に捜査を開始する。
被害者はフリーの雑誌記者で誰かを脅迫していたらしい。
恨みによる犯行なのか? 最後に遺した「テン」の意味は?
事件を調べるうちに、田島が探り当てた真相とは――という話。
感想
こういう作品を書きたい、と心から思える理想の作品。
「やるせなさと憤り」という自分が作品に込めたい思いが、
理想の表現がこの作品には溢れている。
優しさと残酷さ、怒り、問題提起――。
何といってもラストシーンが素晴らしい。
白か黒にしか色分けせず、ギスギスしている今日だからこそ
多くの人に読んでもらいたい不朽の名作。
ドラマではどんな風になってるのかな。
観てないから何とも言えない。