1980年のデビュー作。自費出版だった。
いわゆる「信濃のコロンボ」シリーズ第1弾。
1982年に土曜ワイド劇場、2001年にテレ東、
2013年にTBSでテレビドラマ化されている。
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あらすじ
信州飯田のダムで発見されたバラバラ死体。
事件は親族の借金にまつわるトラブルによるものとして
甥夫婦を全国指名手配するがその二人が心中した状態で発見。
遺体から睡眠薬が検出されたものの、それ以外は不自然な点はなく
捜査は終了しようと空気の中、一人異を唱える人間がいた。
飯田署の巡査部長・竹村岩男である。
妻・陽子の支えを頼りに東京・青森・鳥羽と
竹村の執拗な追跡によって事件の輪郭が見え始める。
その都度壁にぶち当たりながらも次第に協力者も増え、
竹村がついに掴んだ事件の真相とは――という話。
感想
面白い。優れたミステリであると同時に
人間賛歌ともいえる内容が素晴らしい。
こういう視点で描かれた刑事ものって案外少ないかも。
土曜ワイド劇場の林隆三版は昔観たんだよなあ。
この人の刑事役というのはとても似合っていてよかった。
最初の連ドラ「人間の証明」の棟居刑事とか。
挫折感のある刑事を演らせるとピカイチだったような。
アウトローとかそういうもんじゃなくて。
陽子役は和泉雅子でこれもハマってた。
シリーズ化ならなかったのが惜しまれる。
あとの2つは観てないから何とも言えない。
信濃のコロンボを演じた役者さんは結構多い。
林隆三、布施博、堺正章、中村梅雀、寺脇康文。
誰が一番だろうねえ。
色あせたバーバリーのコートが似合わんとアカンのだが。
ま、そのあたりは好みということで。