1994年出版のトラベルミステリー。
サスペンス感あふれる展開が魅力の作品。
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あらすじ
朝刊の新聞広告をチェックするのが日課の十津川警部。
以前に誘拐事件を解決に導いたことがあったからだが、
今日も奇妙な新聞広告を目にした。
<ヒロシ 1031Dのことで話がついた。すぐ帰れ。 母>
その広告掲載の直後、ヒロシという名の青年が
相次いで殺害され、しかも部屋まで何者かに荒らされる。
違う新聞広告も出る中、
鉄道大好き少年である亀井の息子によって
1031DがL特急「ひだ11号」の列車番号と判明。
十津川警部は警戒のため、列車に乗るが
爆弾を所持した男が車内で毒殺されてしまう。
事件の背後に何があるのか?
JRへの脅迫が行われていることを突き止めた十津川と
犯人との壮絶な知恵比べ合戦がスタートする――という話。
感想
スピード感溢れるサスペンストラベルミステリー。
これは結構イケてる。列車番号のヒントといい面白い。
終盤の犯人との丁々発止の知恵比べも読みどころ。
映像化したら結構いい出来になると思うんだけどねえ。
なんでやってないんだろ。
協力を要請しに行ったコンピューター会社の描き方とか
通り一辺倒じゃないところがまたいい感じ。
こういうとこがステレオタイプだとイマイチだもんねえ。
昔の作品といってもすべてがそうじゃないが、
随所に細かい気配りが効いていたところが魅力だった。
もう数は書かんでいいから質を重視すりゃいいのにね。
まあそういうわけにもいかんのだろうが。
映像化してほしい一冊。