1988年応募の著者のデビュー作。
ストレートな社会派法廷ミステリが清々しい。
火曜サスペンス劇場「朝日岳之助シリーズ」の原作。
小林桂樹主演で人気を博した。
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あらすじ
警備員が刺殺され金庫が破られた。
大阪で起きたこの事件で逮捕されたのは前科のある塩川という男。
塩川は無罪を主張していたが、執拗な取り調べの末に自白。
有罪は確実かと思われたが、塩川の妹が弁護士を連れてきた。
その男の名は朝日岳之助。
過去に冤罪で友を無くした経験を持つ朝日は、
熊本からかけつけ法廷で検察に敢然と挑んでいく。
果たして塩川は無罪なのか?
法廷は二転三転し、やがて明らかになる真実とは――という話。
感想
久々に読んでもそのストレートさが心地いい作品。
冤罪に対する怒りが朝日のバックボーンとともに伝わってくる。
やっぱり熱量が大事なんだよねえ。
惜しくも佳作となるが、2年後に「動く不動産」で受賞。
こちらもテレビドラマ化された。
朝日弁護士シリーズは舞台が横浜になっちゃってるけど、
まあそのあたりはキャストやロケの都合上仕方ないかと。
むしろそれだけ関西制作でドラマが作られてないのが悪い。
かれこれ30年近く前でそんな感じだから
今なんかもうどうしようもないわいな。
それはさておき、シリーズ化された朝日弁護士の本を
この作品以降読んだ記憶がないから読んでみないとねえ。