1995年出版の歴史小説。
国士無双と謳われた天才武将・韓信の生涯を描いたもの。
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あらすじ
項羽と劉邦の天下分け目の戦い。
劉邦が勝利した要因の一つは天才武将・韓信がいたことだった。
有名な「股くぐり」の屈辱に耐え
なかなか評価されず不遇の時代を過ごしながら
大将軍の座を得て戦場で一度も敗れることなく「国士無双」と謳われた。
「彼がいなければ天下は取れなかった」と劉邦に言わしめた手腕。
兵法の常識を破った「背水の陣」の考え方、
その天才的な知力ゆえに謀反を疑われ悲運の最期を遂げるまでの話。
感想
劉邦が天下をとれたのは韓信・蕭何・張良がいたからこそ。
しかし、天下を取った後の劉邦は猜疑心から功績のあった武将たちを
次々と謀殺していった。
その陰には呂后の影がちらつく。
いつの世も女が絡むとロクなことにはならない。
歴史のイフがあるとして
もし韓信が蒯通の計を取り入れていたなら
三国志よりはるか前に天下三分の計が成されていたわけで。
二度目は鐘離昧の言葉を受け入れて
劉邦を討っていたなら時代も変わっていたのでは。
何でも3度目はなかなかないもんなのよ。
人間、チャンスは無限にあるものではない。
しかし、戦場ではあれほど策略が抜群だった韓信なのに
何でチャンスを逃し続けたのか。それもまた人間の面白さだが。
歴史というのは本当に我々にいろいろな教訓を授けてくれる。