1981年出版の死神シリーズ第2弾。
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あらすじ
首相の娘・志津子がチューリッヒで失踪する事件が起きた。
彼女の行方を追った外事警察捜査員・朱野能子も
「北回帰線に鷲が啼いている」という謎のメッセージを残し消える。
2人はヨーロッパ全域にまたがる売春組織に拉致され
飼い主の男たちに利用される日々を過ごしていた――。
上層部から要請され、閑職に飛ばされていた
伊能と中郷の両警視正はヨーロッパに飛び、
秘密組織と対決する――という話。
感想
いろいろシリーズはあるわけだが、
伊能と中郷コンビというのはとりわけ面白い。
反目し合いながら互いを認め、
ぶつくさ言いながら敵と対峙する男のロマンがある。
白眉なのは第4章「赤い鬼」のラスト。
パリ警視庁爆破を食い止めた2人は犯人を追う。
人質をとってサンミシェル橋の上で警官隊と対峙する犯人。
2人は岸壁に座り、10分後一言声を掛け合い向かう。
ここの伊能と中郷のコンビプレーが凄いカッコいい。
映像的に映えるでしょうなあ。しびれるかっこよさ。
ハードロマンと呼ばれるジャンルの旗手であった著者だが
不思議と凌辱シーンであろうがなんだろうが、
眉を顰めたくなるというかクエスチョンマークは浮かんでこない。
そこが他の作家と違うとこなのかな。
他の人の場合だと「おいおい、それはないやろ」とか
突っ込みたくなる時があるんだけど。
他の死神シリーズも読んでみよ。