西村京太郎105「最果てのブルートレイン」を読む

1986年出版の短編集。
表題作の他、「余部橋梁310メートルの死」
「愛と死の飯田線」の計3本を収録。

「最果てのブルートレイン」は
妻の仇討ちを果たし、思い出の地で死のうと稚内に向かった矢代。
ところが、隣席の若い女性に助けを求められる。

そして、女性は車内で殺された。莫大な遺産を相続したまま――。
思い残すことはないと思っていた矢代だったが、
次第に事件の行方が気になり、ある行動に出る――という話。

矢代のハードボイルドさと列車のトリックが冴える短編。
十津川警部たちはメインではない。結構好みの話。

「余部橋梁310メートルの死」は
その名の通り謎の落下事件から始まる殺人の顛末。
ま、特にどうということはない。

「愛と死の飯田線」は哀しきミステリ。
もうちょっと救いがあってもよさそうなものだが、
あえてそれを排したという感じか。

短編というよりは中編で、アリバイ作りに利用された男の
哀しい運命を描いた作品でこれまで2回映像化されている。

最初が1989年土曜ワイド劇場、
2回目が2004年同じ土曜ワイド劇場だが
西村京太郎トラベルミステリではなく鉄道捜査官の方。

1989年版ねえ、観たことあるんだろうけどさっぱり覚えてない。
ゲストは高樹沙耶、船越英一郎など。
原作のラストがどのように描かれているのか興味深い。

鉄道捜査官の方も未見だからわからない。
ゲストは遠野なぎこ、新マン・団時朗など。
これまたラストがどんな感じなのか興味深い。

どちらも2時間サスペンス定番になってないことを願いたい。

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