伝説のアクション小説・西村寿行「往きてまた還らず」を読む

1977年出版の作品。
スケールのでかい傑作サスペンス。

あらすじ

警視庁特別捜査官の伊能は姉との約束を楽しみにしていた。
しかし姉と会うはずだったホテルは爆破テロにより大惨事。
伊能は姉を失いテロリストに復讐を誓う。
敵は過激派か謀略組織の陰謀か。

伊能は執念で手がかりをつかむが
ターゲットには逃げられ捜査官を首になる。

新宿の次は上野が火の海と化し、
来日中のインドネシア石油相は暗殺され政府は大混乱。

背後で糸を引くのは超人的なテロリスト。
加えて世界を震撼させた女テロリストも参戦。

戒厳令がひかれる中、伊能と元上司の中郷は
テロリストと死力を尽くした戦いを繰り広げていく――という話。


感想

まあ、すげえなおいおいという感じで一気読み。
むちゃくちゃと言えばむちゃくちゃな話だが
あながちありえん話ではないところが怖い。

超人的なテロリストだが単純な描き方ではない。
ある病気を抱えていたり、暗い過去があったり。
あげくの果てには罠と知りつつ、
たった一人の妹に会いに来て殺してしまう。

まあとにかくえげつないエピソードが満載。

八丈富士から怪電波を発信するテロリストを見つけるのに
ナパーム弾ぶちかましてとっ捕まえる。すげえな、おい。
だんだん口をあんぐりさせてくれる傑作サスペンス。
それだけに最後の終わり方はどうなのかな。

ま、それぐらいしかないといえばないのだが。
あと前半の方であったS国の話はどこへやら。

伊能と中郷の憎しみあいコンビは好評を博し、
この後「死神シリーズ」として世界各地での戦いを進めていく。

シリーズ読んでこうっと。

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