和久峻三「赤かぶ検事シリーズ傑作選①」を読む

2011年出版の傑作選。
記念すべき第1話「疑わしきは罰せよ」他、
「雨降って地固まる」「蝸牛庵の遺産」
「長崎居留地二十五番館」の計4編を収録。

「疑わしきは罰せよ」は1975年発表の
赤かぶ検事こと柊茂の初登場作品。

「おみゃあさんよぉ」と名古屋弁で語る独特の口調、
検察事務官から検事になったたたき上げの苦労人が
飛騨高山支部で活躍する姿を描き、人気を博した。

なんちゅうてもフランキー堺のイメージが強い。
また妻・春子は春川ますみのイメージがこれまた強い。

この2人が固定されたテレビシリーズは再放送でよく観た記憶が。
榊田警部補=森田健作、法眼弁護士=勝野洋、柊葉子=片平なぎさの
「赤かぶ検事奮戦記Ⅱ」が一番記憶に残っているような。
最初の時は法眼弁護士=沖雅也、葉子=倍賞千恵子だったのね。

なもんで、どうしてもフランキー堺のイメージで読んでしまう。

ところが、である。

原作で描かれている赤かぶ検事の容姿は
「ぎすぎすにやせ細っていて背丈だけがめっぽうに高い」
そして「ガタのきた入れ歯にいつも悩まされている」男なのだ。

例えるならもうちょい老けた阿部寛が
入れ歯ガタガタ言わせているようなもんである。

榊田は榊田で貧弱な小男である。

ま、映像化とはそんなもんである。
当時やったら誰かね、岸田森さんとかかな原作通りだったら。

それはさておき、
「疑わしきは罰せよ」と弁護士になった葉子に
証人にたった赤かぶ検事がやり込められる「長崎~」は
いいとして、残り2編は他にあったんじゃないかいなと思う。
ちょいと傑作選というにはどんなもんだろ。

ちなみに何で赤かぶ検事と呼ばれるようになったかといえば
法廷で風呂敷包みひっくり返して赤かぶをばらまいてしまい
法廷内を爆笑の渦に巻き込んでしまったからなのだ。

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