1982年出版の作品。
同年にザ・サスペンスで映像化。
十津川警部を演じたのは宝田明、亀井刑事は犬塚弘。
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あらすじ
兄の葬式に行った十津川警部の部下・日下刑事。
帰りに乗った特急さくらの車内で倒れている女性を発見。
ところがその直後、何ものかに頭を殴られ気絶。
意識が戻ってみると女性の死体はどこにも見当たらない。
いったいどこに消えてしまったのか?
東京に戻った日下刑事はその奇妙な出来事を報告。
誰もが不思議がる中、女性の転落事件が発生。
日下刑事も現場に駆け付けたところ、
なんとその女性は自分が列車内で発見した女性だった!
列車から消えた女性がなぜここで見つかったのか?
女性はタレントの佐々木由紀と判明。
彼女のスポンサーとなっていたのは政治家の西尾。
十津川警部らが西尾のもとに向かった時、
西尾の会社の副社長が誘拐され事件は思わぬ方向へ――という話。
感想
日下刑事またまた事件に巻き込まれるの話。
ここまでくると伝統芸能顔負けの感じさえする。
死体消失トリックあり、誘拐あり、時刻表トリックあり、と
トラベルミステリーの面白さが凝縮された作品。
黒澤明の「天国と地獄」っぽい設定もあったりする。
いろんな見どころならぬ読みどころがあるのだが
こんだけ詰めるのならもうちょっと分量増やして
最後のところをきっちり描いた方がもっと面白くなったのでは。
ザ・サスペンスで日下刑事を演じたのは三ツ木清隆。似合う。
宝田明の十津川警部もこれ1作のみなので、観たいなあ。
講談社文庫では山村美紗が解説を書いているのだが
十津川警部を若林豪が演じていると間違えている。
若林豪は第2作目からなのだ。ホントに観たんかい。
トラベルミステリーが時代を席巻している頃の一冊。