1971年発表の作品。
2005年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
恋人に振られた湯浅貴久子は山で遭難するが
アルピニストである影山と真柄の2人に助けられる。
2人はやがて貴久子に好意を持ち、貴久子は影山の愛を受け入れる。
山頂から灯火を愛の信号にして送る、と影山から告げられ
山麓でその知らせを待った貴久子だが、送られてきたのは遭難信号だった。
翌朝、真柄と救援隊により影山の死体が発見される。
悲しみにくれる貴久子だったが、救援隊の一人が
遺されたヘルメットからあることに気付く――。
影山の死は他殺だったのか?
北アルプスの高峰に構築された密室の謎とは?--という話。
感想
山岳ミステリの白眉と言われている本書。
しかし、読んでみると「そうか?」と思ってしまう。
これだったら「日本アルプス殺人事件」の方がはるかに面白い。
これがトリックといわれてもちょっとなあ、と。
あと主人公、ていうか貴久子はただのサゲマンじゃないの。
ひたすら関わる男が不幸になっていく。
犯人の独白が手紙というのもちょっと。
だいたいこういう場合、どうやってアリバイを崩していくのか
というところにしか興味が沸かんのだから。
そのあたりがちっとも進まんのに、一気にとんとんと解決みたいな印象を受ける。
ヘルメットのところや山に関する描写は凄いと思うけれど。