1979年出版の作品。
十津川警部の奥さん、直子の初登場作品でもある。
映像化はまだなし。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
40歳で結婚することになった十津川警部。
結婚式場でも大照れだったが、そんな彼に遠慮のない言葉が飛ぶ。
そういう同期の存在を嬉しく思う十津川警部。
一方、花嫁の直子は再婚なので落ち着いたもの。
2人は北海道に飛ぶ最終夜行便、通称ムーンライトと
名づけられている飛行機で新婚旅行に出かけた。
そこで若い新婚夫婦たちと知り合うのだが、
同機に乗り合わせた3組の新婚旅行客が相次いで蒸発。
十津川警部は北海道警の要請で捜査に協力するが、
今度は東京で同乗していた2人が相次いで殺害される。
いったい犯人の目的とは何か?
十津川達が捜査の末に暴き出した真実とは――という話。
感想
トラベルミステリー第2弾という位置づけの本書だが
どちらかといえば消えたシリーズの一つのような内容。
合わせて初期の社会派作品の香りも漂う。
この作品が書かれたころはベトナム難民の問題が表面化していた頃なんだねえ。
「ある朝 海に」×十津川警部ものという感じ。
まさかこういう方向に話が展開するとは思いませんわな。
しかし、こういう展開って現代では拒否反応あるかもねえ。
通用しないというか、共感しないというか。
やむにやまれぬところから、ってのがどうとられるか。
違ったアプローチの仕方をしないと現代の読者からは受け入れられないと思う。
そういう点で勉強になった一冊。
十津川警部の落ち着かなさや、まだ俗物的な面もある亀井刑事、
直子の最初から変わらない聡明さみたいなとこもおすすめ。